2014年上半期で約30億円の不正利用被害
急速に発達するネット社会に伴い、ネットのみを通じたクレジットカードの不正利用に関する調査が発行元会社の集まりからなる日本クレジット協会ではじめて行われました。
不正被害額は2014年上半期の数字になります。
リアル店舗から流れた不正と、盗難紛失による第三者利用による合計被害金額の合計は約22億円に対し、ネットを通じた不正被害額は上半期のみでなんと・・・約30億円!現実社会よりもネットを通じた被害の方が明らかに起こっている実態が浮き彫りになったのです。
被害が急増している背景として、予め登録しているネットショッピングサイトにアカウントを他人が乗っ取り、意図しない商品購入をされたり、配布されているアプリやソフトウェア(ツール)やスパムメール(フィッシング)によりクレジットカード情報を盗む手口で、ネットを媒介としているため被害者の行動を逆手に取るなど、労力が掛からない事もあり被害が拡大しているという状況です。
被害に遭うキッカケは、ネットを介してクレジットカードを利用した経験のある方全員が対象であり、誰もが不正利用される恐れは0%ではありません。
今後もこうした被害が拡大する子尾を懸念し、団体では業界全体の取り組みとして対策をする方針を打ち立てています。
アカウントのIDとパスワード
ネットを通した被害でとくに増えているアカウント系手口です。
年に何度かネットショッピングサイトを運営する業者より情報流出したということ件が話題になることがありますが、一度乗っ取られますとそのサイト以外にも利用している方の高い確率で、同一のアカウント情報を利用している事が予測され、次々と被害が蔓延するという仕組みです。
第三者によりアクセスされてから、パスワードの変更や登録住所などを改ざんされ、当の本人がログイン出来ないように対策されてしまい、本人が気付くタイミングとしては編集がされた事を示すお知らせのメールや購入が出来たことを確認する案内が来たとき、または発行元が感知してくれた場合のみ気付きます。
基本的に各種番号やクレカそのものを管理しているのは本人だけ、という体裁の元に発行されています。
入力された情報に誤りが無く整合されれば通常の利用と認識されて明細に上がるようになっていますので、例え不正決済が行われても明細を見る癖の無い人は、ひょっとすると気付いていないだけですでに被害に遭っている事もあるでしょう。
購入された商品の送付先は、各配送業者の窓口で受け取るには身分証明書の提示が必須ですから、受け取るときだけ空き家を利用して住民になりすまして受け取る事が代表的な方法と言われています。
被害に対する対応の考え方
一秒一分も無駄にせず、速やかな対応が二次、三次の被害拡大に歯止めを掛けます。
- 被害に遭ったら発行元に電話
ネットで発行元の電話番号を調べるか、発行時に受け取った案内書を元に指定された緊急連絡先に相談です。
電話して今回の件について説明をした段階で利用停止制限を掛ける為、あまりに連絡が遅いと被害金額の一部をホルダーが支払う事になり兼ねません。
クレジットカードとは、会員になっている以上は管理も所有者に義務付けられている仕組みですので、少なからず瑕疵が発生している状態ですから、無くしたであろう場所や関わった人物にコンタクトを取るよりも先手として考えてください。
その後再発行の流れになりますが、お近くの交番や警察署に落し物&紛失届の提出を忘れないようにしましょう。
被害に対する対策への考え方
病気も貯金にトラブルなど何事においても、その状況に陥る前に予め想定して準備しておくことがコトを大きくせずに済む最善方法です。
- ネットショッピングを極力利用しない
- 店員に渡す際は目を離さない
- 暗証番号は乱雑に
どんなに社会的信用のある会社であっても、クルチアーニ事件のように可能性として潜伏しておりますので、ネットでのサービス購買行動をしなければネット経由の被害は自ずと0%になります。
実店舗での決済時には店員に対して手渡ししなければなりませんが、目を離した隙こそ盲点ですから、どのように扱われているのか確認しましょう。
ホルダーに関連する数字は絶対に辞めるべきで、とくに盗難時における不正利用の場合、身分証明書や登録されている情報を基に解析されてしまってはクレジットカード以外の不正につながる事も。
他にも各種アカウントログイン時のパスワード使い回しも控えてください。
所有者以外ももちろん対策をしている
クレジットカード業を営む会社の多くで不正検知するシステムが導入され、さらに下記のような手段を講じています。
- 本人確認
- お店が発行元にコンタクト取る
- 質問される
加盟店側(お店)でも本人確認をすることは加盟店の義務とされており、本人による利用かどうか聞かれます。
なんらかの疑わしい事や高額での利用、商品の内容によっては店員の方が発行元に連絡をする必要があり、その間待たされることもあります。
決済時における発行元からの本人確認手段として、決済前後にご本人様宛に電話連絡による質問の回答を求められる事も。